• 松下

息を呑むほど美しいマメの技術と製法【MAME KUROGOUCHI】



Mameのように、

美しい服やバッグを作りたい人

「溜め息が出るほど美しい服達。

将来あんな服を作れるようになりたい..

一体デザイナーはどこからデザインの発想を得ているんだろう....

マメバッグがどうやって作られているのか気になる...」


こういった疑問に答えます。


こんにちは、松下です。

デザイナーをしています。

○この記事で分かる事

・マメがどこから発想しているのか。具体例を元に。

・そしてマメのように、高度な服作りをする為に大切な事。


結論をまとめるとこんな感じ。

・マメのデザインは「日常の何気ない」ところから。
・MAMEの代名詞”PVCバッグ”は東急ハンズで生まれた。
・デザイン力を鍛えるためには結局ひたすら試行錯誤

上記を深彫りする前に、

マメを知らない人はこちらのツイートで簡単にマメの歴史が分かります。

MAMEの由来について

「学生時代から背が小さくて丸いので、マメというニックネームだった」

という事を公言しています。

ニックネームがブランド名になっていたとは...


おったまげえー

マメのデザインは「日常の何気ない」ところから。

                                  デザイナー:黒河内真衣子(1985年生まれ)

・デザイナーを志したきっかけ

小さい頃から絵を書くのが好きで、日ごろから自分で考えた洋服を描いていた。
自分が考えた洋服と同じようなものが店頭で並べられているのを見て、
悔しくなってそこから意識するようになった。


mameの歴史やパリコレまでの経歴、ニュースについての記事はこちらです。

ここでマメの素晴らしさについて耳にたこができる..

いや、目に目ヤニができるくらい書いてます。

・簡単にMame Kurogouchiの特徴

強さと繊細さ。大胆なフォルムや素材使いと、繊細な手仕事。
マメ(Mame Kurogouchi)の服には、
相反する要素が独特の存在感で共存している。



○例で見るマメのデザイン発想

例えば下の服を見て欲しい。

2018年秋冬の東京コレクションの一つである。

このコレクションはフランスの家具デザイナー、

シャルロット・ペリアンの展覧会から着想を得たという。


  • 籠のような柄のケミカルな赤いレースのトップス

  • 畳の目のような網目のニット

  • アヤメの柄のシャツ

これらのアイデアは

バランス:ぺらぺらの買い物袋、荒々しいわら細工
色:領収書の緑、事務所前に散る落ち葉

を参考にしているという。


「自分にとっても面白く、着る人の様々な日常に合うような服。
包まれるような素材感があり、しわになりにくく、
仕事で新幹線を降りて靴だけ変えたら、
そのままディナーにも行けるような服を目指した」

                            黒河内真衣子


デザイナーは、何かと

「センス」

という言葉で片付けられがちであるけれども、

実際の発想元は私たちが生活しているところとなんら変わりない、
本当に日常の些細なところから発想を得ていることが分かる。

領収書の緑なんて、「普段、黒河内さんが領収書も切っているんだ」という

”仕事のリアルさ”

まで垣間見える。

ちなみにシャルロットペリアンについてはこちらに簡単にまとめた。


○補足
ペリアンは大の日本好きで、日本式の風呂をパリの自宅にも作ったほどだそうだ。


女性の社会進出という点においてはデザイナーと通ずるものがあるかもしれない。

あとなんとなくだが、雰囲気とか佇まいが似ているかも...?

MAMEの代名詞”PVCバッグ”は東急ハンズから。

PVCは日常的に誰もが見たこと
のある素材ですが、
それを東急ハンズで見つけて、
”なにか面白いものになるかも”
と思い1メートル購入したのが
最初です。」


「MAME」といえばこのビニールバッグの事を思い出す人が多いだろう。

マメバック」とも言われたりする。

現代アートのように繊細で、ガラスのように輝く美しい作品。


実はこのバッグ、


デザイナー自身がサンプルを作り、様々な工場に問い合わせて、
自ら作れるところを探したとの事。


そして取引先となったのは
”浮き輪”
などを作る工場であったというから驚きだ。



そして僕はこのマメバッグが大好きすぎて、

同じ製法でバッグを作った。

その技術のおかげで香港のバッグコンテストに入賞したと言っても過言ではない。←

そんなマメバッグオタクの僕が

マメバッグの製法について解説する。

○マメバッグの製法

  • クラフト技術の要領をPVCに活かして作られている。

  • ポンチで穴を開け、そこに細く切ったPVCの紐を通すことで固定したり、デザインにしている。


  • 羽根の部分は繊細にカッターで切りこみを入れ、一点で固定して、重なった部分が透けてデザインになっている。


  • 現在も「マメバッグ」は手作業で作られているので、技術的に再現することは可能だ。

とはいえ、実際にこれを作るのは相当な時間と労力がかかる。


例えば
穴を開ける作業一つとっても、100個以上の穴を開けなけばならない。
そこに100回紐を通す。これだけで数時間かかる。
そして繊細なカッティングは1度失敗したら全てやり直しの超緻密な作業だ。
切り込みも気の遠くなる作業だ。


僕も先ほどのバッグを一つ作るのにだいたい30時間くらいかかっている。

大体同じやり方で作っているので、

下の動画を見ればマメバックのつくり方が大体分かるようになっている。

正直言ってまじで鬼畜。


デザイン力を鍛えるためには結局ひたすら試行錯誤

何事もそうだが、力を付ける為の近道は存在しない。

いつも「センスがあったから」で片付けられるファッションでも全く同じことが言える。

パリコレに出場してこれだけ人気のあるMameですら、

日々試行錯誤を繰り返してクリエーションを行っている。

これは2011年の頃の「MAME」。

今ほどマメらしさは無いし、 デザイン性も現在のコレクションからは全然想像できない。


いいか、最初は誰でも下手なんだ。

○デザイン力を高めるための3ステップ。

1、「まずは形にする」から始める。

2、根気強く改善

3、完成


1、「まずは形にする」から始める。

  始めは技術的な能力と、自分の理想が追いつかず形にすらならないだろう。

  しかし終わらせなければいつまでたっても先には進めない。

  始めは妥協してでも形にするべきだ。

「完成」より「完了」を

2、根気強く改善

  そこからはひたすら改善だ。完了⇒完成へ向けて

  納得のいくまでとことん試行錯誤を繰り返す。

  ここでの妥協は厳禁だ。

  なぜなら改善すべきポイントは目に見えて分かるはずだから。

3、完成、と言いたいところだが。

  おそらく完成しない。

というかそもそもクリエーションに完成など存在しない。
あってもそれは現時点での最適解であって、明日もそれが”答えか”は分からない。
そ


それでもクリエイターは一つの答えとして完成を提示しなければならない。

そしてまた次の作品にとりかかる。



そうしていくと、

不思議なことに、「完璧」と思った作品を1年後に見ると

「なんだこれ」と思う事が多々ある。

それこそがデザイン力が高まった証拠だ。